平成23年度・静岡県(理科)高校入試問題 [平成23年度(2011年)・理科]
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■■まとめ■■
全般にわたってちょうどいい難易度であるといえるでしょう。日頃の学習の成果がしっかり
発揮されるでしょう。
[1](4)模擬試験などで練習するときは,これが写真ではなく図で書かれていることが多いです
が,いつもと同じように考えられたでしょうか。
[4](2)まずはカギ層は火山灰層であること。カギ層を見つけたらそれが標高何mの位置にあるか
を丁寧に求めること。これが大切です。
[7](2)光の屈折について正しい知識を持っているかが問われています。あまりお目にかかった
ことはないですが,よい問題です。
■■ポイント■■
[1]小問集合
(1)原子核は+の電気を持つ陽子と電気を持たない中性子からできている。
(2)魚類・両生類・は虫類は変温動物と言われる種類。れらは,外界の気温に伴って自分の体温
が変化する動物である。
(3)仕事率は仕事を時間で割ったもの。300kgの物体には3000Nの重力がはたらくので,
3000N×18m÷60(秒)=900(W)
(4)今回太陽の光の当たっている部分から考えると,
地軸は図のようになっている。北半球の方が太陽
が当たっている部分が多いので夏であり,地球は
反時計回りに自転しているので,日本はこれから
昼になる。つまり朝であると判断する。
[2]植物のつくりについて
これを見たときにPはおしべ,Qはがく,Rはめしべ,Sは花弁であることを確認する。
(1)①図3は網状脈であることから双子葉類とわかる。双子葉類は根が主根・側根,茎は維管束
が輪の状態に並ぶ,という特徴を持つ。
②中心からP→R→S→Qの順で並んでいる。
(2)受粉したのち,花粉の中から花粉管が伸び,その中を精核が通り,胚珠の中の卵核と合体
するから受精できる。
(3)遺伝の法則。ここは基本問題である。
①これを優性の形質という。
②子はすべてAaという遺伝子型を持つことになるので,生殖細胞が持つ遺伝子型はAとa。
③ここではAA:Aa:aa=1:2:1でできる。AAとAaが丸い種子になるので,Aaはその2/3があ
てはまる。
(4)無性生殖は親と全く同じ形質を持つ子ができる,という特徴がある。
[3]化学の量的関係
(1)①こまごめピペットの実験上の注意点。図のように上向きにしてしまうと,液がゴム球の
方にまで到達してしまう恐れがあるから注意する。
②溶かしているものを溶媒,溶けているものを溶質といい,合わせて溶液という。
③ここで発生した気体は水素でイ。アは酸素,ウは二酸化炭素,エはアンモニア(ほかにも
あるが)の性質である。
④黄色から青色まで変化したのは中和反応が進み,塩酸が完全に中和されて酸性からアルカ
リ性に変化したからである。
(2)マグネシウムと酸素の反応。マグ:酸素=3:2は覚えておこう。
①これも覚えておくだけ。2Mg+O2→2MgO
②マグ:酸素=3:2となるようにグラフを書けばよい。
③ここで増えた0.8g分が化合した酸素の量である。0.8gに反応するマグネシウムの量は1.2g
だから,反応しなかったマグネシウムは1.5-1.2=0.3g
[4]地層に関する問題
(1)①新生代の示準化石はイのビカリア。アンモナイトは中生代,サンヨウチュウは古生代の
示準化石。
②地層Xでは下かられき→砂→泥の順番でたい積している。れきのような粒の大きい重いも
のはは河口付近でたい積し,粒の細かい砂,泥は順に沖合のほうでたい積する。
(2)カギとなる層は火山灰層である。A地点とB地点の火山灰層は同じ噴火によってできたもの
と考える。A地点は標高20mで火山灰層の下辺は18m掘ったところに出てくるので,火山灰層
の下辺は標高2mのところ。B地点は標高30mで火山灰層の下辺は14m掘ったところに出てくる
ので,30-14=標高16mの地点に下辺がある。よって14m分の差があることがわかるので,
AB間は2km離れているから,1kmでは7m分の差が出てくることがわかる。
[5]天気に関する問題。基本的な問題。
(1)①温暖前線が通過したのちは,気温が高くなり風向きが南寄りに変わる。
②温暖前線付近では,寒気の上を暖気がゆるやかに上昇する。よって,広い範囲にわたる雲
ができる。
(2)2月14日15時のとき,上のグラフを見ると気温が17℃で湿度85%。これを飽和水蒸気量のグラ
フに当てはめるみると,飽和水蒸気量は14gで,実際に含まれる水蒸気は14×0.85≒12gとな
る。露点は湿度100%の地点であるから,グラフから14℃のとき,とわかる。
[6]音に関する問題。基本的な問題。
(1)音の大きさが大きいと振幅が大きくなり,音の高さが高いと振動数が増える。実験aでは,
音が小さくなったので,振幅が小さくなり,音の高さが同じだから振動数は変化ない。
(2)弦の太さ以外の条件を変えてはいけないので,実験aと実験cの結果を比較すればよい。
(3)b~dの結果であるが,bは太さが細く,おもりも多いので,一番高い音が出る。またcとdで
はcのほうがは弦の長さが短いので,弦が振れる回数が多くなる。
[7]レンズに関する問題。(2)はいい問題。
この表をみて,30cmのとき,30cmの像ができることから,30cmが焦点距離の2倍であることを
押さえる。つまりこのレンズの焦点距離は15cmである。
(1)①実像が写るときは,上下左右が逆さの像になるので,もともと下にあった矢印は上に,
左にあった矢印は右に移る。
②焦点に近づくにつれて,実像はどんどん大きくなる。
③焦点距離は上で考えたように15cm
(2)もしガラスがなければ,レーザー光線は焦点に到達するが,ガラスがあるので屈折が
起こる。ここでは作図の手順を説明する。
①ガラスがない場合は,点線のように焦点に光が到達する。
②空気中を進むときは①と平行にならないといけないので,太線のようにAからガラスに
向かって①で引いた線と同じように結ぶ。
③ガラスの左面Pと右面Qを結ぶ(細線③)
これをまとめると下記のようになる。
ただ,作図の手順がわかるように上のように補助線を
残した方が,解答としては素晴らしい。
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■■まとめ■■
全般にわたってちょうどいい難易度であるといえるでしょう。日頃の学習の成果がしっかり
発揮されるでしょう。
[1](4)模擬試験などで練習するときは,これが写真ではなく図で書かれていることが多いです
が,いつもと同じように考えられたでしょうか。
[4](2)まずはカギ層は火山灰層であること。カギ層を見つけたらそれが標高何mの位置にあるか
を丁寧に求めること。これが大切です。
[7](2)光の屈折について正しい知識を持っているかが問われています。あまりお目にかかった
ことはないですが,よい問題です。
■■ポイント■■
[1]小問集合
(1)原子核は+の電気を持つ陽子と電気を持たない中性子からできている。
(2)魚類・両生類・は虫類は変温動物と言われる種類。れらは,外界の気温に伴って自分の体温
が変化する動物である。
(3)仕事率は仕事を時間で割ったもの。300kgの物体には3000Nの重力がはたらくので,
3000N×18m÷60(秒)=900(W)
(4)今回太陽の光の当たっている部分から考えると,
地軸は図のようになっている。北半球の方が太陽
が当たっている部分が多いので夏であり,地球は
反時計回りに自転しているので,日本はこれから
昼になる。つまり朝であると判断する。
[2]植物のつくりについて
これを見たときにPはおしべ,Qはがく,Rはめしべ,Sは花弁であることを確認する。
(1)①図3は網状脈であることから双子葉類とわかる。双子葉類は根が主根・側根,茎は維管束
が輪の状態に並ぶ,という特徴を持つ。
②中心からP→R→S→Qの順で並んでいる。
(2)受粉したのち,花粉の中から花粉管が伸び,その中を精核が通り,胚珠の中の卵核と合体
するから受精できる。
(3)遺伝の法則。ここは基本問題である。
①これを優性の形質という。
②子はすべてAaという遺伝子型を持つことになるので,生殖細胞が持つ遺伝子型はAとa。
③ここではAA:Aa:aa=1:2:1でできる。AAとAaが丸い種子になるので,Aaはその2/3があ
てはまる。
(4)無性生殖は親と全く同じ形質を持つ子ができる,という特徴がある。
[3]化学の量的関係
(1)①こまごめピペットの実験上の注意点。図のように上向きにしてしまうと,液がゴム球の
方にまで到達してしまう恐れがあるから注意する。
②溶かしているものを溶媒,溶けているものを溶質といい,合わせて溶液という。
③ここで発生した気体は水素でイ。アは酸素,ウは二酸化炭素,エはアンモニア(ほかにも
あるが)の性質である。
④黄色から青色まで変化したのは中和反応が進み,塩酸が完全に中和されて酸性からアルカ
リ性に変化したからである。
(2)マグネシウムと酸素の反応。マグ:酸素=3:2は覚えておこう。
①これも覚えておくだけ。2Mg+O2→2MgO
②マグ:酸素=3:2となるようにグラフを書けばよい。
③ここで増えた0.8g分が化合した酸素の量である。0.8gに反応するマグネシウムの量は1.2g
だから,反応しなかったマグネシウムは1.5-1.2=0.3g
[4]地層に関する問題
(1)①新生代の示準化石はイのビカリア。アンモナイトは中生代,サンヨウチュウは古生代の
示準化石。
②地層Xでは下かられき→砂→泥の順番でたい積している。れきのような粒の大きい重いも
のはは河口付近でたい積し,粒の細かい砂,泥は順に沖合のほうでたい積する。
(2)カギとなる層は火山灰層である。A地点とB地点の火山灰層は同じ噴火によってできたもの
と考える。A地点は標高20mで火山灰層の下辺は18m掘ったところに出てくるので,火山灰層
の下辺は標高2mのところ。B地点は標高30mで火山灰層の下辺は14m掘ったところに出てくる
ので,30-14=標高16mの地点に下辺がある。よって14m分の差があることがわかるので,
AB間は2km離れているから,1kmでは7m分の差が出てくることがわかる。
[5]天気に関する問題。基本的な問題。
(1)①温暖前線が通過したのちは,気温が高くなり風向きが南寄りに変わる。
②温暖前線付近では,寒気の上を暖気がゆるやかに上昇する。よって,広い範囲にわたる雲
ができる。
(2)2月14日15時のとき,上のグラフを見ると気温が17℃で湿度85%。これを飽和水蒸気量のグラ
フに当てはめるみると,飽和水蒸気量は14gで,実際に含まれる水蒸気は14×0.85≒12gとな
る。露点は湿度100%の地点であるから,グラフから14℃のとき,とわかる。
[6]音に関する問題。基本的な問題。
(1)音の大きさが大きいと振幅が大きくなり,音の高さが高いと振動数が増える。実験aでは,
音が小さくなったので,振幅が小さくなり,音の高さが同じだから振動数は変化ない。
(2)弦の太さ以外の条件を変えてはいけないので,実験aと実験cの結果を比較すればよい。
(3)b~dの結果であるが,bは太さが細く,おもりも多いので,一番高い音が出る。またcとdで
はcのほうがは弦の長さが短いので,弦が振れる回数が多くなる。
[7]レンズに関する問題。(2)はいい問題。
この表をみて,30cmのとき,30cmの像ができることから,30cmが焦点距離の2倍であることを
押さえる。つまりこのレンズの焦点距離は15cmである。
(1)①実像が写るときは,上下左右が逆さの像になるので,もともと下にあった矢印は上に,
左にあった矢印は右に移る。
②焦点に近づくにつれて,実像はどんどん大きくなる。
③焦点距離は上で考えたように15cm
(2)もしガラスがなければ,レーザー光線は焦点に到達するが,ガラスがあるので屈折が
起こる。ここでは作図の手順を説明する。
①ガラスがない場合は,点線のように焦点に光が到達する。
②空気中を進むときは①と平行にならないといけないので,太線のようにAからガラスに
向かって①で引いた線と同じように結ぶ。
③ガラスの左面Pと右面Qを結ぶ(細線③)
これをまとめると下記のようになる。
ただ,作図の手順がわかるように上のように補助線を
残した方が,解答としては素晴らしい。
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